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リノベーションで新築並みの断熱性能を実現する秘訣!

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リノベーションで新築並みの断熱性能を実現する秘訣!

近年、住宅のリノベーションへの関心が高まっています。 特に、断熱性能の向上は、快適で健康的な住まいを実現するために不可欠な要素として注目されています。

築年数の経過した住宅でも、適切なリノベーションを行うことで、新築住宅に匹敵する、あるいはそれ以上の断熱性能を手に入れることが可能です。 そこで今回は、リノベーションによる断熱性能向上の重要性とその具体的な方法について解説します。


□リノベーションで断熱性能向上

近年、住宅の快適性や省エネルギー性能に対する意識が高まる中、リノベーションによる断熱性能の向上は、多くの住宅所有者にとって重要なテーマとなっています。

築年数の経過した住宅では、現代の基準から見ると断熱性能が十分でない場合が多く、それが冬の寒さや夏の暑さ、さらには光熱費の増加といった問題につながっています。 リノベーションによってこれらの課題を解決し、新築住宅のような快適な住環境を実現する方法を見ていきましょう。

*断熱性能の重要性とは

断熱性能が高い住宅は、一年を通して快適な室内環境を保つことができます。 冬場は外からの冷気を遮断し、室内の暖房熱を逃がしにくいため、家全体が暖かく過ごせます。 暖房の設定温度を低めにしても快適に過ごせるため、光熱費の削減にもつながります。

夏場は逆に、外からの熱気を遮断し、室内の冷房効果を高めます。 これにより、エアコンの設定温度を控えめにしても涼しさを保つことができ、快適な夏を過ごせるだけでなく、消費電力の削減にも貢献します。

さらに、断熱性能の向上は、健康面にも良い影響を与えます。 室内の温度差が少なくなることで、ヒートショックのリスクを低減できるなど、特に高齢者や小さなお子さんのいる家庭では、健康維持のために断熱性能の向上は非常に重要です。 また、結露の発生を抑えることで、カビやダニの発生を抑制し、アレルギー症状の改善にもつながる可能性があります。

断熱性能の基準は、断熱等級として定められており、等級が高いほど高性能であることを示します。 例えば、2025年から新築住宅に義務化される省エネ基準では断熱等級4以上、2030年までには断熱等級5以上が求められる予定です。 しかし、現行の基準を満たしていない既存住宅も多く存在します。 断熱等級6や7といった、より高いレベルの断熱性能を実現することで、エネルギー収支を実質ゼロ以下にするZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を超える快適な住まいも可能になります。

*新築並の断熱性能実現方法

築年数の古い住宅でも、新築住宅並みの断熱性能を実現することは可能です。 そのための具体的な方法をいくつかご紹介します。

  • 壁・天井・床への断熱材の充填・増設
    既存の壁や天井、床に新たに断熱材を充填したり、増設したりすることで、断熱性能を大幅に向上させることができます。 外壁の内側から断熱材を施工する「内断熱」や、外壁の外側から断熱材を施工する「外断熱」といった工法があります。
    内断熱は比較的低コストで施工できる場合が多いですが、断熱材の厚みに限界があることがあります。 一方、外断熱は家全体をすっぽりと覆うため、断熱効果が高く、気密性も向上させやすいという特徴があります。 外断熱は、既存の外壁を解体する必要がある場合もあるため、リフォームの内容によっては費用が高くなることもありますが、断熱性能の飛躍的な向上が期待できます。
    断熱材の種類も、グラスウール、ロックウール、発泡プラスチック系断熱材など多岐にわたり、それぞれの素材に吸音性や防湿性などの特性があります。 例えば、グラスウールは安価で施工しやすいですが、湿気に弱いというデメリットがあります。 一方、硬質ウレタンフォームは断熱性能が高く、自己接着性があるため気密性も確保しやすいですが、価格は比較的高めです。
  • 窓の断熱改修
    窓は、住宅の中でも熱の出入りが最も大きい部分の一つです。 窓の断熱性能を高めることは、リノベーションにおいて非常に効果的です。 断熱性能の高い窓に交換する、あるいは既存の窓に断熱性能の高い内窓を設置することで、断熱効果を高めることができます。
    具体的には、二重窓(内窓)や複層ガラス(ペアガラス)、真空ガラス、樹脂サッシなどが断熱性能に優れています。 単板ガラスに比べて、複層ガラスはガラスの間に空気層や断熱材を挟むことで熱伝導を抑えます。 さらに高性能な真空ガラスは、ガラスとガラスの間に真空層を設けることで、極めて高い断熱性能を発揮します。 サッシの素材も重要で、アルミサッシは熱伝導率が高いため断熱性能が低いですが、樹脂サッシは熱伝導率が低く、断熱性能に優れています。
    最近では、アルミと樹脂を組み合わせたハイブリッドサッシも登場しており、断熱性と耐久性を両立させています。 窓の断熱改修は、結露の防止にも効果があり、カビやダニの発生を抑制することで、室内環境の改善にもつながります。
  • 気密工事の実施
    断熱材で住宅を覆っても、隙間風が入ってきては断熱効果が十分に発揮されません。住宅の気密性を高めることは、断熱性能を最大限に引き出すために不可欠です。
    壁や天井、床などの部材の接合部や、窓・ドアなどの開口部周りを、気密テープやコーキング材などを用いて丁寧に気密処理することで、外気の浸入や室内の暖気・冷気の流出を防ぎます。
    気密性が低い住宅では、断熱材の効果が損なわれるだけでなく、冷暖房効率が悪化し、光熱費の増加につながります。 また、隙間風は室内のホコリを舞い上げたり、不快な音の原因になったりすることもあります。
    気密性能は、C値(相当隙間面積)という指標で表され、値が小さいほど気密性が高いことを示します。 新築住宅ではC値1.0以下が一般的ですが、断熱リノベーションでは、より高い気密性能を目指すことで、より快適な住環境を実現できます。
  • 高性能断熱材の活用
    断熱材の種類は非常に多く、それぞれに特徴があります。 アクアフォーム(現場発泡ウレタンフォーム)、フェノールフォーム、硬質ウレタンフォーム、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなど、様々な種類の高性能断熱材があります。これらの断熱材は、断熱性能(熱伝導率)、施工性、耐久性、コスト、環境性能などが異なります。
    例えば、アクアフォームは現場で吹き付け発泡させるため、複雑な形状の部分にも隙間なく施工でき、高い気密性と断熱性を同時に実現できるというメリットがあります。 フェノールフォームは、薄い厚みでも高い断熱性能を発揮するため、断熱材を厚く施工できない箇所に適しています。 グラスウールやロックウールは、安価で入手しやすいですが、湿気に弱く、施工時にチクチクするなどのデメリットがあります。 セルロースファイバーは、新聞紙などをリサイクルした環境に優しい断熱材で、調湿性や吸音性にも優れています。
    それぞれの住宅の構造、断熱改修の範囲、予算、そして求める断熱性能レベルに応じて、最適な断熱材を選択することが重要です。 専門家と相談しながら、それぞれの断熱材のメリット・デメリットを理解し、最適な選択を行うことが、効果的な断熱リノベーションの鍵となります。
    これらの断熱改修を専門的な知識と技術を持つ施工会社が行うことで、築40年を超えるような古い住宅でも、断熱等級6(Heat20 G2グレード相当)といった、新築住宅の最高水準に匹敵する性能を実現することが可能です。 断熱等級6は、UA値(外皮平均熱貫流率)が0.46以下、ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)が2.0以下といった基準を満たす必要があり、高い断熱性能と日射遮蔽性能が求められます。

□断熱性能向上リノベーションの注意点

断熱性能の高いリノベーションは、快適な住まいを実現するための有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。

*費用と効果のバランス

断熱性能の向上には、当然ながら費用がかかります。 壁や天井、床の断熱改修、窓の交換など、工事範囲や使用する断熱材の種類によって、費用は大きく変動します。

例えば、家全体を高性能な断熱材で包み込む「まるごと断熱リフォーム」は、高い効果が期待できる一方で、1000万円以上といったまとまった費用が必要になる場合もあります。 しかし、その効果は光熱費の削減や健康維持、資産価値の向上といった形で長期的に現れます。

例えば、断熱性能が低い住宅で冬場に暖房費が月3万円かかっていた場合、断熱リノベーションによって暖房費が月1万円に削減できれば、年間24万円の節約になります。 この節約額を初期投資額と比較することで、投資回収期間を試算することができます。

「次世代省エネ建材の実証支援事業」のような補助金制度を活用することで、初期費用を抑えることも可能です。 これらの補助金は、国や地方自治体が省エネルギー化を推進するために設けているもので、断熱改修工事にかかる費用の一部を助成してくれるものです。 補助金の対象となる建材や工事内容、申請方法などは、各制度によって異なりますので、事前に確認が必要です。

重要なのは、自身の予算と、断熱性能向上によって得られるメリット(快適性、光熱費削減、健康増進など)を比較検討し、費用対効果の高いリノベーション計画を立てることです。 初期費用だけでなく、ランニングコストの削減効果や、将来的な建物の資産価値向上なども含めて総合的に判断することが大切です。

また、住宅全体の断熱改修が難しい場合や、費用を抑えたい場合には、「ゾーン断熱」という考え方もあります。 日常的に長い時間を過ごすリビングや寝室など、生活の中心となる空間のみを断熱改修するという方法をとることで費用を抑えつつ、生活の質の向上を目指すことができます。

例えば、リビングの窓を断熱性の高いものに交換したり、壁に断熱材を追加したりするだけでも、体感的な快適性は大きく向上します。


□まとめ

リノベーションによる断熱性能の向上は、快適で健康的な住まいを実現するための有効な選択肢です。 断熱性能の低い住宅は、冬の寒さや夏の暑さ、光熱費の増加、健康リスクといった様々な問題を引き起こす可能性があります。 しかし、壁や窓の断熱改修、気密工事などを適切に行うことで、新築住宅並みの断熱性能を手に入れることができます。

リノベーションにあたっては、費用と効果のバランスを考慮し、必要に応じて補助金制度の活用やゾーン断熱などの方法も検討しましょう。 断熱性能の高いリノベーションを通じて、より快適で安心できる暮らしを手に入れてみませんか。

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