鳥取県で理想の注文住宅を建てるにあたり、まず気になるのは費用面ではないでしょうか。
家づくりには、建物の本体工事費だけでなく、土地の購入費用や様々な諸費用がかかります。
これらの費用を事前に把握しておくことで、現実的な予算計画を立て、後悔のない家づくりを進めることができます。
今回は、鳥取県における注文住宅の費用相場について、建物本体の工事費、土地の購入にかかる費用、そして諸費用に分けて詳しく解説します。
さらに、鳥取県の平均年収から見た無理のない予算の目安や、賢くコストを抑えるための秘訣についてもご紹介します。
鳥取県ならではの気候や自然環境を踏まえた家づくりのポイントなど、注文住宅を検討されている方にとって役立つ情報をお届けします。
□鳥取注文住宅の費用相場
鳥取県で注文住宅を建てる際の費用相場を把握するためには、建物の本体工事費、土地の購入費、そして諸費用の3つの要素を理解することが重要です。
これらの費用は、住宅の規模や仕様、立地条件などによって大きく変動しますが、おおよその目安を知っておくことで、資金計画が立てやすくなります。
・建物の本体工事費
鳥取県における注文住宅の平均建築費は、約3,216万円とされています。
これは、全国平均の約3,195万円とほぼ同水準です。
特筆すべきは、鳥取県では全国平均よりも広い約36.8坪（121.8m2）の住宅を建てる傾向があることです。
坪単価で見ると、約87万円となり、全国平均の約95万円よりも抑えられています。
この坪単価の安さは、後述する土地代の安さが、建物の本体工事費に予算をかけやすい要因の一つと考えられます。
つまり、土地にお金をかけずに、より広々とした、あるいは仕様にこだわった住宅を建てやすい環境にあると言えるでしょう。
・土地購入費
鳥取県の土地取得相場は、全国平均と比較して大幅に安いのが大きな特徴です。
平均的な土地取得費は約839万円であり、全国平均の約1,500万円と比較すると、実に約661万円も安価で購入できる可能性があります。
さらに、平均敷地面積も約93.6坪（309.5m2）と広々としており、より広い土地をリーズナブルな価格で購入できる可能性が高いと言えます。
不動産情報サイトなどを確認すると、坪単価5万円以下の土地も少なくないため、土地探しにおいては選択肢が豊富であるとも言えます。
この土地代の安さは、家づくり全体の予算を抑える上で非常に有利な点です。
・諸費用
注文住宅の建築や土地購入には、建物の本体工事費や土地購入費以外にも、様々な諸費用が発生します。
これらの諸費用は、一般的に建築費の10%〜12%程度かかると言われています。
具体的には、不動産会社に支払う仲介手数料、物件の権利関係を登記する際の登記費用、土地や建物にかかる不動産取得税、毎年かかる固定資産税、契約書に貼付する印紙税、そして水道やガスなどのライフラインを敷地まで引き込むための工事費などが挙げられます。
例えば、本体工事費と土地購入費の合計が4,000万円であった場合、諸費用として約350万円〜420万円程度を見込んでおく必要があります。
これらの諸費用は、しばしば見落とされがちですが、家づくり全体の資金計画に含めることを忘れないようにしましょう。
□鳥取で家を建てる費用目安
鳥取県で注文住宅を建てる際の費用目安を把握することは、無理のない資金計画を立てる上で不可欠です。
ここでは、世帯年収からの予算の検討方法と、賢くコストを抑えるための秘訣について解説します。
・年収からの予算検討
鳥取県の平均世帯年収は約647万円であり、全国平均と比べて大きな差はありません。
注文住宅の建築予算を検討する上で、一般的に世帯年収の6〜8倍が目安とされています。
この目安に基づくと、鳥取県の世帯年収で考えた場合、予算は約3,900万円〜5,200万円となります。
先に述べた総額相場である約4,500万円とも概ね合致しており、この範囲内で検討を進めることが現実的と言えるでしょう。
ただし、これはあくまで目安であり、自己資金の額や住宅ローンの金利、返済期間などによって、実際に組めるローン額や無理なく返済できる月々の負担額は変動します。
住宅ローンの返済額についても、月々の負担が無理のない範囲に収まるよう、慎重に検討することが重要です。
・コストダウンの秘訣
理想の注文住宅を建てるためには、コストを抑える工夫も大切です。
建築コストを削減しつつ耐震性も向上させる方法として、総二階建てのようなシンプルな構造にするという選択肢があります。
これにより、複雑な間取りや屋根形状に比べて建築費用を抑えることができます。
また、部屋の数やサイズ、窓の数や大きさを必要最低限に抑える、あるいは水回りを一カ所にまとめることで、配管工事にかかる費用などを抑えることが可能です。
さらに、住宅会社が提携しているメーカーや、工務店が推奨する割引率の高い建材や設備などを上手に活用することも、コスト削減に繋がります。
これらの工夫により、限られた予算内でより満足度の高い家づくりを目指すことができます。
□鳥取の家づくり特有事情
鳥取県で家を建てる際には、その土地ならではの気候風土や自然条件に合わせた対策を講じることが、快適で安全な住まいを実現するために重要です。
・気候風土への対策
鳥取県は年間を通して湿度が高い傾向があるため、十分な換気システムを導入するなど、湿気対策が不可欠です。
カビやダニの発生を抑制し、健康的な室内環境を維持するために、計画的な換気は重要となります。
また、冬場には積雪も多く見られる地域があるため、屋根に積もった雪の重みによる家屋の破損を防ぐための対策や、屋根から落ちる雪による事故（落雪事故）の予防も考慮する必要があります。
具体的には、屋根の形状を工夫し雪が滑り落ちやすいようにする「無落雪屋根」や、屋根に積もった雪を熱で溶かす「屋根融雪工法」の採用なども有効な手段として挙げられます。
これらの対策は、建物の耐久性を高め、安全な生活を送るために不可欠です。
・地震への備え
鳥取県は、日本国内でも地震が多い地域として知られています。
そのため、注文住宅を建てる際には、高い耐震性を確保しておくことが非常に重要です。
過去には鳥取県西部地震など、大きな地震も発生しており、住宅の安全性を確保するためには、耐震等級の高い住宅を選ぶことが推奨されます。
建築基準法で定められている耐震基準を満たすだけでなく、さらに高い耐震性を目指すことが望ましいでしょう。
耐震パネル工法などを採用し、耐震等級2以上、可能であれば最高ランクである耐震等級3を目指すことで、万が一の地震発生時にも安心して暮らせる住まいを築くことができます。
□まとめ
鳥取県で注文住宅を建てる際の費用相場は、全国平均と比較しても土地代が安価であるため、比較的費用を抑えやすい傾向にあります。
建物の本体工事費、土地購入費、諸費用を合算した総額の目安は約4,500万円ですが、これはあくまで平均値であり、個々の希望や条件によって大きく変動します。
世帯年収からの予算目安を参考に、無理のない資金計画を立てることが重要です。
また、シンプルな構造や水回りの集約といったコストダウンの秘訣を理解しておくことも、賢い家づくりに繋がります。
さらに、鳥取県特有の湿気や積雪、地震といった気候風土や自然条件に合わせた対策を講じることで、より快適で安全な住まいを実現できます。
ご自身の理想とする住まいづくりを、後悔なく進めていきましょう。
