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住宅照明の基本と生活シーン別必要な明かりの選び方

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住宅照明の基本と生活シーン別必要な明かりの選び方

□住宅照明の基本原則

*多灯分散照明とは

従来の「一室一灯照明」は、空間全体を均一に明るくするもののメリハリに欠け華やかさやリラックス感が不足しがちでした。 これに対し「多灯分散照明」は、複数の照明器具を適所に配置することで手元に必要な明るさを確保しつつ、空間全体を心地よく照らします。 この手法は、空間に奥行きや陰影を生み出しくつろぎ感や上質な住環境の実現に貢献します。

*フォーカル・アンビエント照明

多灯分散照明をさらに洗練させた考え方が「フォーカル・アンビエント照明」です。 これは、生活行為に必要な明るさを確保する「フォーカル照明」と、空間全体の雰囲気を作り出す「アンビエント照明」をバランス良く組み合わせる照明計画です。

フォーカル照明はさらに「ファンクショナル照明」と「アイストップ照明」に分けられます。 ファンクショナル照明は、読書や書き物など特定の視作業に必要な明るさを提供し、アイストップ照明は空間のアクセントとなるような場所を照らし視覚的な魅力を高めます。

アンビエント照明は、空間全体に柔らかな光を行き渡らせ心地よい明るさ感やくつろぎ感を生み出します。 これらの要素を巧みに組み合わせることで単に明るいだけでなく、視覚的にも快適で空間の質を高める光環境を創り出すことが可能になります。 例えば、リビングでくつろぐ際には、壁面を照らす間接照明で落ち着いた雰囲気を作り出し読書をする際には手元を照らすスポットライトを併用するといった具合です。


□適所適光と適時適照

*適所適光の考え方

「適所適光」とは、その名の通り「必要な場所に、必要な明るさを」という考え方です。 これは、読書をする場所には十分な明るさを確保し、通路などでは最低限の明るさで十分といったように空間全体を均一に明るくするのではなく、それぞれの場所や活動に必要な明るさを、適切な照明器具を用いて配置することを意味します。 この考え方を実践することで無駄なく効率的に必要な明るさを得られるだけでなく、空間にメリハリが生まれそれぞれの場所の用途に適した、より快適な視環境を作り出すことができます。

例えば、リビングのくつろぎ空間では間接照明を効果的に使い落ち着いた雰囲気を演出しつつ読書をする際には手元を照らすスポットライトを併用するといった工夫が考えられます。 キッチンで作業する際には、手元を明るく照らすダウンライトやスポットライトを配置し安全かつ効率的に作業できる環境を整えることも適所適光の考え方に基づいています。

*適時適照の活用法

「適時適照」は、「必要な時に、必要な明るさで」という考え方です。 これは、時間帯や生活シーンに合わせて、照明の点灯・消灯や調光・調色を切り替えることを指します。 例えば、日中は自然光を活かし夜間や作業時には必要な明るさを確保するといった対応です。 調光・調色機能付きの照明器具を活用することで、より細やかな調整が可能になります。 リラックスしたい時には暖色系の落ち着いた光にし、作業をする際には白色系の明るい光にするなど、シーンに合わせて光の色や明るさを変えることで空間の快適性を高めることができます。

また、不要な照明を消すことは省エネルギーにもつながります。 朝、活動を始める際には少し明るめの光で目覚めを促し、夜、就寝前には暖色系の落ち着いた光でリラックスできるような時間帯に合わせた照明の使い分けは、生活リズムを整える上でも効果的です。


□生活シーン別明かりの選び方

*くつろぎ空間の照明

リビングや寝室などの「くつろぎ空間」では、リラックスできる落ち着いた雰囲気が重要です。 間接照明や壁や天井を照らすコーブ照明・コーニス照明などを活用すると柔らかな光が空間全体に広がり、まぶしさを感じにくく目に優しい環境を作り出せます。 これらの照明は、光を直接目に当てないためリラックス効果を高めます。

また、調色機能付きの照明で暖色系の落ち着いた光を選ぶとよりリラックス効果が高まります。 例えば、夕食後、家族団らんの時間を過ごす際には少し明るめの暖色系の光で温かい雰囲気を演出し、就寝前にはさらに落ち着いた色合いの光にすることでスムーズに睡眠へと移行できるでしょう。

*作業空間の照明

キッチンや書斎、ワークスペースなどの「作業空間」では、手元がしっかりと見える十分な明るさと作業の効率を高めることが求められます。 タスクライティングとして作業する場所をピンポイントで照らすダウンライトやスポットライト、デスクライトなどを活用しましょう。 これらの照明は、作業対象を直接照らすため必要な明るさを確保しやすく作業の精度を高めます。

明るさだけでなく、作業対象とその周辺との輝度差を小さくすることも目の疲れを軽減する上で重要です。 例えば、キッチンで調理をする際にコンロ周りを明るく照らすことで食材の切り分けや調理中の安全性を高めることができます。 書斎で読書をする際には、デスクライトを適切な位置に配置することで手元を明るく照らし長時間の読書でも目が疲れにくくなります。

*団らん空間の照明

ダイニングやリビングでの「団らん空間」では、食事を美味しく見せたり会話が弾むような温かみのある雰囲気づくりが大切です。 食卓の上には、料理を美味しそうに見せるペンダントライトなどを配置し空間全体はアンビエント照明で心地よい明るさにすると良いでしょう。 ペンダントライトは、食卓を直接照らすことで料理の色合いを鮮やかに見せ食欲をそそる効果があります。 また、空間全体を柔らかな光で包み込むアンビエント照明は、リラックスした雰囲気を作り出し会話を弾ませるのに役立ちます。

調色機能があれば、食事の時間帯に合わせて光の色を調整するのも効果的です。 例えば、昼食時には自然光に近い明るめの光で爽やかな雰囲気に、夕食時には暖色系の落ち着いた光で、より食事を楽しむための雰囲気を演出することができます。


□高齢者に配慮した照明

*必要な明かりの確保

高齢になると視覚機能が低下し、若い頃と同じ明るさでは物が見えにくくなることがあります。 そのため、高齢者の方には、一般的に推奨される照度よりも明るめの照明が必要となります。 特に、階段や廊下など、移動する場所ではつまずきや転倒を防ぐために、十分な明るさを確保することが重要です。 足元をしっかりと照らすことで段差やつまずきやすい場所を認識しやすくなり安全性が向上します。

また、高齢者はまぶしさを感じやすくなる傾向があるためグレア(まぶしさ)を抑えた照明器具や間接照明などを活用することが望ましいです。 直接光源が見えにくいダウンライトや壁面を照らす間接照明は、まぶしさを軽減し目に優しい光環境を提供します。 さらに、暗い場所から明るい場所への移動時など眼の順応速度が遅くなることも考慮し、動線に沿って明るさが急激に変化しないよう滑らかな明るさの変化を意識した照明計画が大切です。 玄関から廊下、リビングへと移動する際にそれぞれのエリアの明るさに大きな差がないように配慮することで目の負担を軽減し、安心して移動できるようになります。

心の健康という観点からも高齢者が不安や孤独を感じることなく、快適に過ごせるような照明は重要です。 昼間の補助照明や夕刻から夜にかけての適切な明るさ、そして、絵画や置物などにスポットを当てることで生まれる明暗のコントラストは、空間に豊かさをもたらし、生活に潤いを与えます。 例えば、リビングの壁に飾られた家族写真に柔らかなスポットライトを当てることで、写真が際立ち温かい雰囲気が生まれます。

また、適度な明るさは、認知機能の維持にも良い影響を与えると考えられています。 高齢者の方々が、安全で快適そして心豊かに暮らせる住まいを実現するためには、照明計画が非常に重要な役割を果たします。

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